始業式が行われました

令和6年1月9日、第3学期始業式が行われました。

令和5年度 3学期始業式 校長講話

皆さん、あけましておめでとうございます。

いよいよ、新しい年がスタートしました。皆さんは、新しい年をどのような気持ち・決意で迎えたでしょうか。
学校では、「新年」とともに3学期がスタートします。終業式では「一年の計は元旦にあり」という話をしましたが、正月にこの一年の達成目標を設定した人は少なくないと思います。しかし、去年やり残したことがある人にとっては、3学期は学校生活のひとつの区切り、仕上げの時でもあって、大切なときとなります。そんな気概を持って、有終の美を飾るに相応しい学期にしてください。
さて、今年は、東京高校にとっては創立から152年目になります。また、現在の鵜の木(1934年、当時は大森区調布嶺町)に移転してから90年目を迎えます。本当に、時間が経つのは早いものです。それでも、いくら時代の変化が早かろうと、本校は明治草創期の塾時代からの「新しい日本を担う、若者たちを育てる」という基本理念を、万代不易・永続的に継続していかなければなりません。
皆さんが、東京高校で学ぶのはわずか3年です。しかし、学校の評判が上がるのも、下がるのも皆さんの取り組み次第です。同時に、それが今後の皆さん自身の評判になるのだという自覚を持って、今まで以上にしっかりとした行動を心掛けてください
今年一年も、心身ともに健康な毎日を過ごすことが基本になると思います。3年生は、これからが入試の本番です。体調を整え、全力を尽くしてください。
さて、冒頭に新年のお祝いを申し上げたところではありますが、皆さんご存じのように能登では1月1日に非常に大きな震災が発生し、死傷者・安否不明者は相当数に上っていると報道されています。この機会に、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、また、被災地域の、一日も早い復興を願うとともに、「災害は忘れたころにやってくる」というこの教訓を、私たち自身も胸に深く刻みたいと思います。
最後になりますが、皆さんにとってこの一年が素晴らしい年であるように、良い年であるようにと祈念して、始業式の挨拶といたします。
以上です

終業式が行われました

令和5年12月23日、第2学期終業式が行われました。

令和5年度 2学期終業式 校長講話

おはようございます。

長かった2学期も今日で終了です。季節も9月の炎暑から厳寒の12月に大きく変わりました。この間、様々な行事がありましたが、皆さんはどのように感じ、考え、また評価しているのでしょうか。1・2年生の宿泊行事(1年生は千葉方面へ1泊2日。2年生は3泊4日で北海道・九州・沖縄の3方面に分かれての修学旅行)、3年生には校外活動がありました。芸術鑑賞会(1年生は歌舞伎、2年生は劇団四季)、文化祭、各学年の球技大会も実施しました。
また、本校でもコロナ感染者こそ減少しましたが、インフルエンザ罹患者は「いちょう祭」のあと、それも「中間試験の時期」に増加するなど、大変に心配しました。それでも、結果的に、学級閉鎖などの措置が最小限で済んだのは、皆さんがしっかり油断なく「健康管理」をしてくれたお陰だと思います。ただ、この年末、流行が再拡大するという予測もありますので、引き続き警戒感をもって過ごしてください。
このあと、各顧問の先生から部活動の報告があります。例年通り、運動部の活躍はもちろんですが、文化面でも国税庁主催の*¹税の作文、*²「図書館を使った調べる学習コンクール」、また、*³書道部の展覧会入賞などが報告されています。詳細はHP・校報を参照してください。
さて、あと十日もしないうちに、新しい年になります。
昨年も同じ話をしましたが、「一年の計は元旦にあり」といいます。「計画というものは、早期にかつ明確に立てることが大切である」ということを示した諺です。前年1年間を反省し、しっかりと新たな1年の計画を立ててください。
3年生は本校を卒業して、その先どのような未来を創造していくのか。また1・2年生は地に足をつけ、今後の進路や自分の将来を真剣に考えてください。そして、良い年を迎え、心身ともに健康な状態で、3学期の始業式には元気に登校してください。
以上です

*1
「税の作文」(国税庁主催)・税務署長賞:三井雅喜(2年4組)・内田陽衣菜(2年5組)
*2
「第11回 大田区・図書館を使った調べる学習コンクール」・優秀賞:礒眞佳(2年5組)
⇒第27回全国コンクールに進出(2024年2月に審査結果が発表されます)
*3
「第39回 読売書法展」入選・大沼日菜詩(3年7組)
「第28回 全日本高校大学書道展」準優秀賞・大沼日菜詩(3年7組)
「第36回 東京都高等学校文化連盟書道展」奨励賞・川島奈歩(3年8組)

「いちょう祭」の実施について

本校の文化祭である「いちょう祭」を以下のように実施いたします。
たくさんの皆様のご来校をお待ちしております。
9月 23日(祝)10:30 ~ 16:00  / 24日(日) 9:00 ~ 15:30
各日とも、一般公開の受付は終了の1時間前までとなります。(予約不要)
催事の詳細は特設サイトにてご案内しています。

始業式が行われました

令和5年9月1日、第2学期始業式が行われました。

令和5年度 2学期始業式 校長講話

皆さん、おはようございます。
今日から新学期を迎えますが、2学期は年間で一番長い学期になります。
来週早々、2年生は修学旅行、1年生は千葉方面への宿泊行事が予定されています。3年生も校外学習や球技大会など、通常とは違った学校生活となります。また、今月下旬には文化祭が開催され、1・2年生は芸術鑑賞の授業も実施されます。これら行事の際に大切なのは、心身ともに健康な状態で参加すること、であると思います。
特に3年生は 進路選択の大事な時期にもなりますので、くれぐれも自身の健康に留意して生活してください。
さて、話は変わりますが、今日、9月1日は防災の日です。
大正12(1923)年、今からちょうど100年前の午前11時58分、関東地方でマグニチュード7.9の地震が発生し、その結果、10万を超える人たちが犠牲になりました。今日は学校から家に到着するまで、それぞれの場所で「今」地震が起きたらどうするのか、それを考えながら帰宅して下さい。
具体的には、通常利用している公共交通機関が「今、ここで止まったら?」という状況を想像してみてください。もちろんスマートフォンは利用できないという前提でお願いします。
今、ここで何かあったら、と考えることも、広い意味で防災になると思います。是非、今日だけでなく、自分で自分を訓練して万が一の事態に備えておきましょう。
また近年は、災害級の暑さと言われるように、気温上昇による熱中症、更には大雨・豪雨による洪水被害等も頻発しています。
常にアンテナを張り、関係機関からの情報を把握して、「自分の命を守る行動を取る」という事が求められています。他人事とは考えず、危機管理の鉄則である「最悪の事態を想定」して対応を考えてみてください。
最後に、1学期終業式にお願いした通り、皆さんが無事に2学期を迎えることができたことをうれしく思います。同時に、
皆さんにとって充実した学期となるよう、学校としても最大限の努力をしていきますので、皆さんも思い切り全力を発揮してください。

終業式が行われました

令和5年7月20日、第1学期終業式が行われました。

令和5年度 1学期終業式 校長講話

皆さん、おはようございます。

明日から約40日間の夏期休暇期間になります。この5月から新型コロナ感染症が5類に移行して、世の中全体の警戒感も緩んできているように感じられますが、本校でもコロナだけではなく期末試験前にはインフルエンザの罹患者が増加するなど、必ずしも状況は改善されているとはいえません。引き続き、油断せずに感染症対策をお願いしたいと思います。また、今年は梅雨明け前から猛暑が続くなど、部活動中の熱中症も心配されるところです。こまめな水分補給や必要な休憩を取るなど、体調不良を起こさないように細心の注意を払ってください。
以上のようなことを勘案し、今年も一人ひとりが自分の健康に留意して、夏期休暇中も規則正しい生活を心掛けてください。

次に1学期の部活動ですが、まだ様々な制限があり厳しい練習環境の中、3部(「ラグビー部」「女子硬式テニス部」「陸上部」)が関東大会への出場を果たしました(詳細は校報169号を参照してください)。更に、陸上部は19名(男子8名・女子11名)がインターハイへの出場を決めています。8月2日から札幌市で開催されるインターハイでは、是非、東京高校陸上部の名を全国に轟かせてほしいと思っています。

このあと、生徒部の先生から諸注意があると思いますが、夏期休暇中には中高生を巻き込んだ事件が多くなる傾向があります。本校でも4月以降、田園調布警察の協力の下、特殊詐欺や薬物乱用防止に関する講習会等を実施してきました。決して他人事だと思わずに、身近な危険に対し改めて注意してください。

2学期の始業式は9月1日になります。
くれぐれも健康面・生活面に気を配り、充実した夏期休暇を過ごして、1日には元気に登校してください。

「校祖追悼の日」について

来る6月21日(水)は、学校法人上野塾の創立者で、東京高等学校の校祖である上野 清先生のご命日にあたります。
本校では、この日を校祖追悼の日と定めております。
謹んで先生のご遺徳をお偲びください。

略年譜
1854年  安政元年閏7月17日(現在の暦では9月9日)、江戸(東京)に生まれる。
1872年  明治 5年8月 上野西黒門町に数学塾を開く。 (18歳)
<本校では 1872年を創立年とし、今年 150周年を迎える>
1888年  明治21年7月 神田猿楽町に東京数理学校を開校。 (34歳)
1890年  明治23年2月 東京数理学校を解消し、東京数学院とする。(36 歳)
1893年  明治26年12月 東京数学院尋常中学部を設置。 (39歳)
1894年  明治27年9月 仙台に東京数学院宮城分院(現・東北高等学校)を設立。 (40 歳)
1896年  明治29年12月 東京数学院尋常中学と改称。 (42 歳)
1899年  明治32年4月 東京中学校と改称。 (45 歳)
1922年  大正11年4月 東京実業学校(現・東京実業高等学校)を併設。 (68歳)
1924年  大正13年6月21日、逝去(享年 70歳)

入学式が挙行されました

令和5年度入学式が挙行されました。

令和5年度入学式式辞(主旨)

本日、入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同の、大きな喜びでございます。心から御礼申し上げます。

 ただいま、入学許可をいたしました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆さま、お子さまのご入学おめでとうございます。長い義務教育期間を経て さまざまな思いで本日をお迎えになり、喜びも一入(ひとしお)のことと存じます。私ども教職員一同、皆様のご協力を得ながら、一丸となって新入生全員が充実した高校生活を送り、無事に卒業の日を迎えられますよう、精一杯頑張っていく所存でございます。

本校は今年、創立151年目を迎えます。創立から150年を経て、更なる次の10年へのスタートの年になります。皆さんも本校の長い歴史にしっかりとした足跡を残していってください。

さて、この数年来のコロナ感染症による未曽有の社会的混乱は、まだ完全には収束しておりません。学校でもこれまで様々な式典・行事が影響を受けましたが、形式を変えるなど、工夫をしながら可能な限り実施してきました。この入学式も原点に戻って、新入生に入学を許可し、三年間しっかり学ぶ覚悟を持てと伝える、ということを念頭に実施しております。

昨日の始業式で、2・3年生にも伝えましたが、本校では1年生は共通科目、2年次から文系・理系に分かれて勉強します。それでも「どうして、この科目を勉強するの?」と、自分の選択外の科目はいらないというようなことを口にする生徒がいます。多くの場合は「受験に関係ない」という意味のようですが、極論すると問題点は「教養は何のために必要なのか」ということになると思います。アメリカの哲学者・アラン・ブルームによると「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すこと」だそうですが、一見、今すぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが、実は物事を考える時の「参照の枠組」として、非常に大事なのです。例えば、ある特定の分野しか学ばない人は、見方が一方的になったり、狭すぎたりする傾向があるようです。学びというのは、答えを知ることではなくて、先人たちの思考や研究を通して「新しい視点」を手に入れることです。

そういう意味で、学校で、スマホで検索すれば簡単に知ることが出来る「正解」だけを教えることは、あまりいいことではない、と考えています。結局は「自分の頭で」考えることが大切です。是非、自分で考えて行動できる人になってもらいたい。また、そういう生徒を育てるのがこれからの学校の役割だと思っています。

最後になりますが、高等学校は修養の場でもあります。そして、学校だけでなく、家庭と地域の三者が連携・協力することが大切です。保護者の皆様、本校の発展と充実のために温かいご支援とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。

新入生諸君には、今日の喜びと感動を忘れず、心身共に健康で、自らを高め、有意義な学校生活を送ることを期待します。

以上をもちまして、入学式の式辞といたします。ありがとうございました。

令和5年4月8日 学校法人 上野塾
東京高等学校長  鈴木 徹

始業式が行われました

令和5年4月7日、第1学期始業式が行われました。

令和5年度 1学期始業式 校長講話

おはようございます。

3学期の修了式から、さほど時間は経過していませんが、この春休みにリフレッシュして、新しい目標は設定できたでしょうか?

目標を探すために「本を読んだ」という人もいるかもしれませんが、本は読むだけではあまり意味がありません。もちろん読まないよりはマシですが、本を読んで「感動した!」と言っていたのに、次の日になると完全に忘れて元の生活のままという人、割と多いと思います。是非、「本を読んで終わり」、「人の話を聞いて終わり」ではなく、その感動を自らの行動に結びつけていってもらいたいと思います。

本校は2年次から文系・理系に分かれて勉強していきますが、それでも大学での専攻とは違いますので、実に色々なことを学びます。なかには「何でこんな科目を?」と不満をいう生徒もいますが、極論すると「教養は何のために必要なのか」ということになると思います。*アラン・ブルームは「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すことである」と言っていますが、これには全く同感です。一見、今すぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが、実は物事を考える時の「参照の枠組」として、非常に大事なのだと思います。例えば、ある特定の分野しか学ばない人、学べないような人は、見方が一方的だったり、狭すぎたりして、学問の新しい理論やジャンルを開拓していくことは出来そうにありません。学問や学びというのは、答えを知ることではなくて、先人たちの思考や研究を通して「新しい視点」を手に入れることなのです。学校では、スマホで検索すれば簡単に知ることが出来るような「正解」を教えることは、あまりいいことではない、と考えています。1年前の始業式でも言いましたが、結局は「自分の頭で」考えることが基本なのだと思います。是非、自分で考えて行動できる人になってもらいたい。また、そういう生徒を育てるのがこれからの学校の役割だと思います。

その上で、皆さんには、一日一日を大切に過ごしてもらいたいと切に願います。

以上です

*アラン・ブルーム(1930~92)‐アメリカの哲学者、著書『アメリカン・マインドの終焉』他

修了式が行われました

令和5年3月20日、第3学期修了式が行われました。

令和4年度 3学期修了式 校長講話

おはようございます。今日で3学期が終わり、令和4年度も幕を閉じることになります。

3月5日には卒業式が行われ、306名の先輩たちが本校を巣立っていきましたが、厳かで格調高い、素晴らしい卒業式でした。その式辞で、私は「皆さんは、新しい場所で『自分とは違う属性の人間と仲間』になってください。そして、このコロナ禍で経験したことをエネルギーに、世の中を変えていってください」と卒業生に伝えました。本校HPにも掲出していますので、皆さんも目を通してみてください。

また、卒業式と同様、今日の表彰でも、*出席優良者の数字は本当に素晴らしいと思います。

精勤・皆勤者
・1年生が241名(皆勤142・精勤99)、約68.4%
・2年生が212名(皆勤126・精勤86)、約68.6%

1年間一度も休まず、遅刻もしないということは、全員が実現可能なことではありますが、実際に成し遂げるのは大変なことだと思います。皆勤者が一日一日を積み重ねた、不断の努力に敬意を表します。3か年皆勤はまた、その一年一年の積み重ねです。何事もこつこつとやるという、その事が尊いのだと思います。

さて、この1年を振り返ると、皆さんにとっては、どんな1年でしたか?それぞれ反省はあると思いますが、具体的に何がよかったのか、何が悪かったのか、と検証を試みてください。節目、節目にきちんと反省しておくことは、次の目標を立てる上でも大切なことだと思います。

以上を踏まえて、この春休みには一年の反省をきちんとして、新たな目標を立てて下さい。目標はたいそうなことではなく、例えば、毎日学校に来る、それを1年間継続する、ということでも十分だと思います。

怪我・事故には十分気を付けて、また元気に、始業式に会いましょう。

以上です


*出席優良者-3年生(卒業生)

皆勤166名、精勤76名の242名(在籍306名)79.1%

3か年皆勤は109名

*****

離任式

この3月をもちまして、2名の先生が退職されます。

 

・塩谷 尚正 先生(理科)

2002年(平成14年)入職。在職21年。

 女子バレーボール部顧問。

・渡邉 千洋 先生(保健体科)

2020年(令和2年)入職。在職3年。

チアリーディング部顧問、女子ソフトテニス顧問を歴任。

 

本校の発展に、ご尽力いただいたことに感謝いたします。

また、先生方の新たなるご活躍をお祈りいたします。

東京高等学校教職員一同

卒業式が挙行されました

令和4年度卒業式が挙行されました。

令和4年度 卒業式 式辞(主旨)

 306名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 皆さんは令和2年4月に入学し、それ以来3年間、本校で多くのことを学び、高等学校の全課程を修了しました。
 明治5年創立の本校は、皆さんが在学中の昨年、創立150周年を迎えました。今年はまた次の10年に向かっての第一歩を踏み出す年となりましたが、その本校の歴史の一頁に、皆さんもしっかりと刻み込まれたわけです。先ほど表彰された人たちに限らず、ここに居並んだ一人ひとりが、きっとこの3年間で立派に成長してくれたことと確信しています。
 本校の卒業式が初めて実施されたのは、明治27年と記録されていますが、その第1回卒業式から数えて、今回は第131回目ということになります。そんな卒業式の中でも、引き続く今の時勢にあって、一昨年は保護者の皆様の卒業式会場への入場はしていただけませんでしたし、その前年には卒業生全員が一堂に集まるということもできませんでした。
 振り返ってみれば、皆さんが高校1年生になった春、学校からは生徒の姿が消え、異様な静寂に包まれ、それまでとは違った日常が始まりました。はっきりいうと「普通」ではなくなったわけです。
 本日は、皆さんが入学した時の校長先生・伊藤詔一先生にご臨席いただいています。この後ご祝辞を頂きますが、今までの「普通」が普通ではなくなる、前例のない局面に遭遇したのですから、皆さんばかりか、当初の気苦労は、察するに余りあるものがあります。
 ただ、個人的には、これを機に、もしかしたら世の中の「普通」が劇的に変わるのかなと、いい方向に期待する気持ちも少しはありました。通常、世の中の価値観はゆっくりと変化していきます。例えば「環境」に対する意識や「ジェンダーフリー」の受容など20年・30年前とは大きく変わってきていると感じます。
 一方で、精神科医の中井久夫さんが「我々は代案を考え抜くよりも、後戻りすることを選ぶ恐れがある」と言っている通り、とにかく「早くコロナ以前の普通に戻りたい」という風潮があることも否めません。しかし、皆さんの世代(今の20歳前後)の人たちが、人口の過半数を占める頃には、必ず「変化」が起こります。それは、もう20年くらい先のことかもしれませんが、現在の混迷の経験を元に世の中は変わるはずです。
 卒業特集の校報にも書きましたが、皆さんがこれから進んでいく先には必ず「仲間」がいます。様々なバックグラウンドを持つ人たちと集い、自分と違う属性の仲間を増やすことで、新しい時代を創り、新しい普通を作っていくという力が、皆さんにはあるのだと、そのことを心から信じています。
 しかし、その前に、卒業生の皆さん、今日の節目を確かなものにするために、家に帰りましたら、改めてご両親に卒業の報告をし、感謝の気持ちを伝えてください。
 最後になりましたが、本校での3年間の教育活動にお寄せいただきました、保護者の皆様のご理解とご協力に対し、心より御礼申し上げます。
 重ねて卒業生の皆さんの前途に、幸多かれと、心よりお祈り申しあげます。
 以上を持ちまして、式辞といたします。

 

令和5年3月5日 学校法人上野塾
東京高等学校長  鈴木 徹