入学式が挙行されました

令和6年4月9日、令和6年度入学式が挙行されました。

令和6年度入学式式辞(主旨)

本日、入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同の、大きな喜びでございます。心から御礼申し上げます。
ただいま、入学許可をいたしました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆さま、お子さまのご入学おめでとうございます。長い義務教育期間を経て さまざまな思いで本日をお迎えになり、喜びも一入(ひとしお)のことと存じます。私ども教職員一同、皆さまのご協力を得ながら、一丸となって新入生全員が充実した高校生活を送り、無事に卒業の日を迎えられますよう、精一杯頑張っていく所存でございます。

本校は今年、創立152年目を迎えます。また、現在の鵜の木(1934年当時は大森区調布嶺町)に移転してから節目の90年となります。当時は、見渡す限り畑地が広がり、鵜の木駅から学校の間には人家が1軒もなかったそうです。現在の状況からは想像出来ない景観ですが、長い時間をかけて本校は地元とともに成長してきたのだと自負しております。皆さんもこの3年間で成長し、本校の長い歴史にしっかりとした足跡を残していってくれることを願っています。

さて、本校では1年生は共通科目、2年次から文系・理系に分かれて勉強します。その中で「どうして、こんな勉強をするのか。将来、いったい何の役に立つというのか?」と、自分の選択外の科目は必要ないというようなことを口にする生徒がいます。多くの場合は「受験に関係ない」という意味のようですが、数学者の藤原正彦さんは著書で『役に立たない、というのは、価値がないことではない』と仰っています。大切なのは何かを深く考えることのようです。
そういう意味で、学校で、スマホで検索すれば簡単に知ることが出来る「正解」だけを教えることは、あまりいいことではない、と考えています。結局は「自分の頭で」考えることが大切で、ただ通り過ぎるだけの高校生活にはして欲しくありません。それが出来ることが即ち「どのような高校時代を過ごしたのか?」とか「出身高校はどのような学校だったのか?」という質問への答えになるのだと思います。皆さんには自分自身のことはもちろん、近い将来に、東京高校について語れる人になってもらいたいと思っています。

結びになりますが、高等学校は修養の場でもあります。そして、学校だけでなく、家庭と地域の三者が連携・協力することが大切です。保護者の皆さま、本校の発展と充実のために温かいご支援とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
新入生諸君には、今日の喜びと感動を忘れず、心身共に健康で、自らを高め、有意義な学校生活を送ることを期待します。
以上をもちまして、入学式の式辞といたします。ありがとうございました。

令和6年4月9日

学校法人 上野塾
東京高等学校長  鈴木 徹