始業式が行われました

令和5年4月7日、第1学期始業式が行われました。

令和5年度 1学期始業式 校長講話

おはようございます。

3学期の修了式から、さほど時間は経過していませんが、この春休みにリフレッシュして、新しい目標は設定できたでしょうか?

目標を探すために「本を読んだ」という人もいるかもしれませんが、本は読むだけではあまり意味がありません。もちろん読まないよりはマシですが、本を読んで「感動した!」と言っていたのに、次の日になると完全に忘れて元の生活のままという人、割と多いと思います。是非、「本を読んで終わり」、「人の話を聞いて終わり」ではなく、その感動を自らの行動に結びつけていってもらいたいと思います。

本校は2年次から文系・理系に分かれて勉強していきますが、それでも大学での専攻とは違いますので、実に色々なことを学びます。なかには「何でこんな科目を?」と不満をいう生徒もいますが、極論すると「教養は何のために必要なのか」ということになると思います。*アラン・ブルームは「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すことである」と言っていますが、これには全く同感です。一見、今すぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが、実は物事を考える時の「参照の枠組」として、非常に大事なのだと思います。例えば、ある特定の分野しか学ばない人、学べないような人は、見方が一方的だったり、狭すぎたりして、学問の新しい理論やジャンルを開拓していくことは出来そうにありません。学問や学びというのは、答えを知ることではなくて、先人たちの思考や研究を通して「新しい視点」を手に入れることなのです。学校では、スマホで検索すれば簡単に知ることが出来るような「正解」を教えることは、あまりいいことではない、と考えています。1年前の始業式でも言いましたが、結局は「自分の頭で」考えることが基本なのだと思います。是非、自分で考えて行動できる人になってもらいたい。また、そういう生徒を育てるのがこれからの学校の役割だと思います。

その上で、皆さんには、一日一日を大切に過ごしてもらいたいと切に願います。

以上です

*アラン・ブルーム(1930~92)‐アメリカの哲学者、著書『アメリカン・マインドの終焉』他