始業式が行われました

令和6年4月8日、第1学期始業式が行われました。

令和6年度 1学期始業式 校長講話

皆さん、おはようございます。
3学期の修了式から、さほど時間は経過していませんが、この春休みにリフレッシュして、上級学年での心構えはできたでしょうか?

昨年の始業式では、*アラン・ブルームを引用して「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すことである」という話をしました。修了式では、一見、今すぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが結びついたとき、いいアイデアが生まれる。しかし、地球上に80億人もいれば、同じことを思いつき、考えている人は一定数いるはずだという話をしました。
そうであれば問題は、そのアイデアをいかに実現するのかにあります。日本でも時折、アイデアの盗用が問題になり、極端な場合には犯罪にまで発展するケースさえあります。しかし、先に述べたように、同じ着想の人は相当数いるので、我々が思うほど、実際にはアイデアが盗まれることは少ないのではないか。仲間を募るために着想を話したら、盗用されたというよりも、そのアイデアに感動して優秀な人が集まってきたというケースの方が多いような気がします。20代のビル・ゲイツ(マイクロソフト共同創業者)がスティーブ・バルマー(2代目CEO)に「今はオフィスに1台しかないPCを、世界の全員が持つようになったらどうなると思う?」と説得したのは有名な話ですが、最後は協力してくれる人、仲間が重要であるというところに行きつきます。
学校は、勉強はもちろんですが、仲間を作るところです。クラス・部活、気の合った信頼できる友人を作ってください。人間関係が苦手な人は、あまり身構えないで、取り敢えず学校に来ることだけでも十分です。最近、本校の出席率は少しずつ低下しています。コロナ禍がきっかけかもしれませんが、やはり遅刻をしない、欠席をしないのは基本であり大事なことだと思います。もちろん無理をしてでも学校に来なさい、と言っているわけではありません。体調が悪いときはしっかり休んで治すのが先決です。でも厳しいことを言えば、体調を崩さない日常生活を心掛け、実践できればそれだけでも周囲から信頼を得られると思います。

今日から新学期が始まります。一人一人が目標をもって、一日一日を大切に過ごしてもらいたいと切に願っています。

以上です

*アラン・ブルーム(1930~92)‐アメリカの哲学者、著書『アメリカン・マインドの終焉』他