令和7年4月8日、第1学期始業式が挙行されました。
令和7年度 第1学期始業式 校長講話
皆さん、おはようございます。
3学期の修了式から、さほど時間は経過していませんが、新年度を迎え、上級学年での心構えはできたでしょうか? 明日の入学式では385名の後輩たちが本校の門をくぐることになります。
新年の挨拶で、折々の節目は大事だと言いましたが、学校では特にこの4月からのスタートが重要になります。仏教には「*無始無終」という考え方があり、文字通り始まりもなければ終わりもない、要するに人生に切れ目などないという事ですが、自分自身を振り返り、目標を立てるためには節目は大切なのだと思います。「新しい門出」とか「第二の人生」という言葉で、自分を励まし、新しい目標を設定する人はたくさんいるはずです。
もちろん、過去は変えられないし、未来は分かりません。ただ確実なのは今がある、ということです。今、学校でやるべきことは、勉強はもちろんですが、仲間を作ること。クラスや部活動で、気の合った信頼できる友人を増やしてください。そして「自分のなりたいもの」になる準備を始めてください。強く望んで、努力すれば可能性は高くなります。『諦めなければ、夢は向こうから会いに来る』、また『チャンスは準備が整ったところに来る』という格言もあります。そのためには、「今、何ができるか」が大事です。⁑ロマン・ロランも『偉大な人間は自分の出来ることをする。しかし、凡人は出来ることをせず、出来もしないことばかりを望む。』と言っています。
そういう意味で学校の役割は、人に言われるままに行動するのではなく、自分で考えて行動できる人間を育てることだと思います。その上で、皆さんには、一日一日を大切に、この一年を過ごしてもらいたいと切に願っています。
以上です
*無始無終:始まりもなければ、終わりもない、という意味。目標に向かって努力し、目標に到達をした時こそ安心してはいけない、という戒めの言葉としても解釈できる。終わったということは、また新しい出発点に立っているということで、切れ目のない人生において油断は禁物といえる。
⁑ロマン・ロラン(1866-1944:フランスの小説家・評論家)
理想主義的ヒューマニズム、平和主義、反ファシズムを掲げて戦争反対を世界に叫び続け、フランスでは評価されなかったが国際的に多くの知友を持った。『人生で一番大切なことは、己の義務を果たすことである』という名言もあるが、『ピラミッドは頂上から作られはしない』という当たり前のことも言っている。