令和7年4月9日、令和7年度入学式が挙行されました。
令和7年度入学式式辞
本日、入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同の、大きな喜びでございます。心から御礼申し上げます。
ただいま、入学許可をいたしました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆さま、お子さまのご入学おめでとうございます。長い義務教育期間を経て さまざまな思いで本日をお迎えになり、喜びも一入(ひとしお)のことと存じます。私ども教職員一同、皆さまのご協力を得ながら、一丸となって新入生全員が充実した高校生活を送り、無事に卒業の日を迎えられますよう、精一杯頑張っていく所存でございます。
明治5(1872)年、家塾として歩み始めた本校は、第二次世界大戦前は主に中学校(旧制)として、戦後は高等学校(新制)として歴史を刻み、今年は創立から153年目を迎えます。
「卒業式」はこの春に133回を数え、卒業生は32,916人となりました。新入生の皆さんも伝統ある本校の歴史にしっかりとした足跡を残していってくれることを願っています。
さて、我々は生活するうえで「節目」を大切にします。もちろん、人生は切れ目なく続いているわけですが、自分自身を振り返り、目標を立てるためには節目は必要なのだと思います。「新しい門出」とか「第二の人生」という言葉で、自分を励まし、新しい目標を設定する人はたくさんいるはずです。
もちろん、過去は変えられないし、未来は分かりません。ただ確実なのは今がある、ということです。今、皆さんが学校でやるべきことは、勉強はもちろんですが、仲間を作ること。クラスや部活動で、気の合った信頼できる友人を増やしてください。そして「自分のなりたいもの」になる準備を始めてください。強く望めば『夢は向こうから会いに来る』でしょうし、『チャンスは準備が整ったところに来る』のだとすれば、運も自分が引き寄せるものだといえます。そのために、「今、何ができるか」を考えてください。*ロマン・ロランも『偉大な人間は自分の出来ることをする。しかし、凡人は出来ることをせず、出来もしないことばかりを望む。』と言っています。
そういう意味で学校の役割は、人に言われるままに行動するのではなく、自分で考えて行動できる人間を育てることだと思います。
結びになりますが、高等学校は修養の場でもあります。そして、学校だけでなく、家庭と地域の三者が連携・協力することが大切です。保護者の皆さま、本校の発展と充実のために温かいご支援とご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
新入生諸君には、今日の喜びと感動を忘れず、心身ともに健康で、自らを高め、有意義な学校生活を送られることを期待します。
以上をもちまして、入学式の式辞といたします。
令和7年4月9日
学校法人 上野塾
東京高等学校長 鈴木 徹
*ロマン・ロラン(1866-1944:フランスの小説家・評論家)
理想主義的ヒューマニズム、平和主義、反ファシズムを掲げて戦争反対を世界に叫び続け、フランスでは評価されなかったが国際的に多くの知友を持った。『人生で一番大切なことは、己の義務を果たすことである』など、多くの格言・名言を残している。